第194章

島宮奈々未は罵声を浴びせることも、取り乱して喚き散らすこともしなかった。

こんな事態になっても、責める矛先は男のほうだ。浮気相手の「魅力が勝った」だなんて、そんなところに落とし込む気はない。

天瀬姫代は顔色を悪くしながら言い放つ。

「島宮嬢。私が光世と知り合った頃、あなたはいなかったわ。順番って言うなら、先は私、後はあなたでしょう」

「順番?」島宮奈々未は鼻で笑った。「恋愛にそんな理屈を持ち込むなら、天瀬嬢にはここに立つ資格すらない。忘れたの? あなた、いったん『死んだ人』でしょう」

天瀬姫代は言葉を失う。島宮奈々未はそれ以上取り合う気もなく、踵を返した。

東守と西守が後ろにつく...

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